2011/11/15 Tuesdayauthor: JummaNet事務局

国連開発計画(UNDP)チッタゴン丘陵(CHT)開発局、文化多様性フェスティバルにおいて先住民族の権利を侵害

バングラデシュ駐在の国連開発計画チッタゴン丘陵開発局(略称UNDP-CHTDF)は毎年、文化多様性フェスティバルを開催しているが、今年の同フェスティバルでは「先住民族」という言葉を使わない方針であることが明らかになった。UNDP-CHTDFは過去4年間、「先住民族」という単語を使ってきたが、今年のフェスティバル概要ではそれが「エスニック・マイノリティ」「少数民族集団」「トライブ(部族)」という言葉と置き換えられている。これに対し、先住民族側から厳しい批判の声が上がっている。
先住民族指導者によると、UNDPの変化は最近の政府による先住民族政策方針の変化に合わせたものではないかと推測されている。
 ▽ジュマネット・ニュース2011年10月15日号「全ての公文書から「先住民族」という言葉を削除」参照
 http://www.jummanet.org/cht/news/2011/10/post-82.html

バングラデシュ先住民族フォーラムの事務局長、サンジーブ・ドロン氏は「先住民族」用語の削除を批判している。
同時に、イベント会社によって運営されているフェスティバルの在り方自体にも批判の声が上がっている。通常、先住民族ではなくベンガル人の会社がイベントの管理・運営を任されるため、先住民族の観点がフェスティバルに反映されにくい。人権団体カパエン財団事務局長のロビンドラナート・ソレン氏は、UNDPのやり方は先住民族の自決権を侵害するものだとし、先住民族の観点や習慣、伝統を尊重すべきであると批判している。また、マンガル・クマール・チャクマ氏は、先住民族を意思決定過程に参加すべきであると警告し、今年は多くの先住民族団体が抗議のため、フェスティバルをボイコットするかもしれないと示唆した。同フェスティバルは12月2日から8日に予定されている。

(カパエン財団からの報告より、2011年11月12日)