2008/08/27 Wednesdayauthor: JummaNet事務局

ドゥルバルを通した女性支援事業

doorbar.jpg チッタゴン丘陵地帯では内戦期から今日に至るまで、襲撃事件や土地収奪に伴う女性に対する暴力事件が多発しています。犯人の多くは軍人や入植者やベンガル人有力者ですが、その多くはほとんど正当に裁かれることがありません。貧しく、立場の弱い人々は報復を恐れて、犯人を訴えることが出来ずに泣き寝入りする場合が多く、特に法的アクセスが難しい遠隔地の場合は被害そのものが表に出ることなく慢性化しています。
 ジュマ・ネットとしてマハルチャリ襲撃事件以降、同地域に関わり続けるうちに、レイプ被害者への支援は通常の開発支援活動では十分に展開されにくいことを学びました。多くの被害者は精神的、肉体的なダメージを十分回復できないことが多く、裁判に訴えると報復に遭い、ジュマ社会からも疎外的に扱われるなど、社会の中で正当な形での支援活動が成り立ちにくく、支援が十分に届いていません。
 こうした日の当たらない被害者への支援を展開するため、バングラデシュの女性ネットワーク組織「ドゥルバル」を通して女性たちのネットワーク強化と被害者支援活動を支援することを決めました。

活動期間:2009年1月~2011年12月(3年間の予定)
活動地域:バングラデシュ、チッタゴン丘陵地帯カグラチャリ県、ランガマティ県、バンドルボン県、チッタゴン県、コックスバザール県、首都ダッカ含む
金額:年間90万BTK×3年間
活動内容:女性達のネットワーク強化と政策提言、女性のリーダーシップ研修、女性の権利学習、地域社会や地元行政との協働と理解促進、被害者への医療サポートと法的サポート、被害者の安全を守るためのシェルター提供、被害者の社会復帰のサポート、事件のドキュメンテーション活動など

ドゥルバルとは

 バングラデシュ全国64県で現在約550の女性団体が加盟する全国ネットワーク。ダッカに本部を置き、全国を16の地域に分け、それぞれの地域ごとに選挙で選ばれる委員で構成される委員会を作り、事務所にプロジェクトオフィサーと会計担当の2名のスタッフを配置し、独立運営を目指している。
 ドゥルバル・ネットワークの目的は、女性に対する暴力や差別の撤廃と女性の政治参加である。全国550加盟組織のメンバーは、女性の側に立った活動をするという目的で、民族や宗教、社会的な階級を越えて団結し、互いの問題、経験や感情をシェアーし、どこかで何か問題が起こった時には全国のメンバーが自分のこととしてかけつけ協力する強い団結力で結ばれている。
 また、全国550の各女性団体はそれぞれ地元に「女性暴力防止委員会」を持っている。この委員会は弁護士やジャーナリスト、教育者、議員などで構成されており、女性団体の活動を手助けする役割を担っている。よって、550×2の1100の団体やグループが全国で一致団結して大きな力を生む。もし、何か問題が起こった時には、まず地元で解決を試み、それがだめなら県レベルで、それがだめなら地域レベルで、それでもだめなら全国レベルで問題の解決にあたる。
 2006年4月のマイシュチュリ襲撃事件で、2名のマルマ民族の女性が集団レイプされた際は、全国64県のすべての県庁前で、同日同時刻にあらゆる民族の女性達が一斉に「先住民族の姉妹兄弟に対する抑圧を止めて!」と書いたバナーを持って人間の鎖の抗議行動を行った。

 ドゥルバル・ネットワークの力は政府に対するアドボカシー活動の際に大きな力を発揮する。全国64県550の団体と550の女性暴力防止委員会が一丸となり声をあげるため、政府も無視できないほどの力を持つ。これまでドゥルバルネットワークの政策提言が実を結び、女性・子どもに対する暴力撤廃のための法律を制定させ、全国の県に「女性とこどものための特別法廷」を設置することを決めさせた。またレイプやDVにあった女性が必要な医学的・法律的手続きを受ける支援を行う「ワンストップ・クライシス・センター」という施設を全国6箇所に作らせた。
 このようなアドボカシーのほか、女性たちの意識向上、能力向上のトレーニングを年に6回、月1回の県ミーティング、3ヶ月に1回の地域ミーティングや、3月8日「国際女性の日」、11月25日「女性に対する暴力撤廃国際日」には大規模なコンファレンスやワークショップなどを行う。