2013/03/23 Saturdayauthor: JummaNet事務局

マティランガで襲撃事件  不安な日々を過ごすジュマ民族

2013年1月25日夜にカグラチョリ県マティランガ郡のジュマ民族が住むホリドン・モグ村とヘモンゴ・カルバリ村がベンガル人入植者に襲われ、2戸を放火され、34戸を略奪されて荒らされた。ジタシュク仏教寺院および仏像も被害に遭った。被害総額は約168万タカ(約200万円)相当と推定される。襲撃前に避難したため、ジュマの村人に死傷者はなかった。国境警備隊(BGB)が昼夜、警備を続けているが、村人は不安な日々を送っている。

地元UPDFリーダーらによると同日午後7時45分ごろ、正体不明の武装集団がマティランガ町ボットリ地区で煉瓦工場のマネージャー、アブル・ホセイン氏を誘拐しようとした時、工場の労働者が抵抗し、武装集団が発砲して労働者のファルーク・ホセイン氏(19歳)を即死させ、アブル・ホセイン氏とシャージャハン氏を負傷させた。その復讐のために、棍棒、ナタなどを持ったベンガル人入植者がジュマを罵倒するスローガンを叫びながら、マティランガ町から北東に約4キロ離れた両村を襲撃した。ジュマの村人たちはジャングルに避難した。マティランガ町ユニオン評議会元議長が率いる同町ボットリ地区・ガジノゴル地区の約100名の入植者が襲撃に関わった。UPDFによれば、入植者の背後で襲撃の様子を傍観するマティランガ管区とBengmara駐屯地の陸軍兵士の姿が目撃されたという。翌朝、放火の証拠を隠滅するためか、BGBが放火された2戸を建て直した。

ホリドン・モグ村では、チャラ・アウン・マルマ氏(30歳)の住居が焼失して29戸が略奪され、ヘモンゴ・カルバリ村ではニロモニ・トリプラ氏の住居が全焼し、5戸が略奪された。ホリドン・モグ村のバドゥ村長によれば、仏教寺院では仏像が地面に投げつけられ、マイクなどの物品が破壊されたという。

カグラチョリ県評議会が被害を受けた各世帯に1万タカずつ見舞金を支払ったが、被害額には遥かに及ばない。1月26日に地元国会議員Jトリプラ氏がボットリ地区を訪問したが、被害を受けた村々には行かず、他の政府高官も現場訪問をしていない。

UPDFは、1)煉瓦工場およびジュマの村々での襲撃事件の調査と責任者の処罰、2)両事件の被害者への十分な補償金の支払いと負傷者の治療、3)暴力の再発を予防する措置として:ベンガル人入植者の平野部への再定住、ベンガル人とジュマの両方からなる警察部隊の結成、軍の撤退を提言した。

(抄訳:トム・エスキルセン。出典:chtnews.com No. 13/2013、2月2日)