2010/02/27 Saturdayauthor: JummaNet事務局

異常な静寂の後に暴力再発

The Daily Star 紙 2010年2月25日(木)
http://www.thedailystar.net/newDesign/news-details.php?nid=127792

異常な静寂の後に暴力再発
夜間に12家屋が焼き討ちされる。カグラチャリの夜間外出禁止令撤回されず

昨夜、カグラチャリ市で昼間の不気味な静けさの後、再びベンガル人と先住民族
の民族間衝突が起きた。チッタゴン丘陵地帯で両者の血みどろの衝突が起きてか
ら既に6日になる。

夜10時頃、ゴラバリ付近のアディバシの家7軒が放火され、モラ・パラとガンジ・
パラのベンガル人入植者の家5軒が放火された。その炎は停電中の夜空を赤く染め
た。サイレンの音に混じって悲鳴と叫び声とむせび泣く声が、夜10時に始まり朝7
時まで続く夜間外出禁止令が出された町にこだました。

外出禁止令の適用時間を除いて、全てのデモを禁じる144条が依然として適用され
ているにもかかわらず、ベンガル人入植者の学生組織である丘陵ベンガル人学生
委員会は本日、CHT 全域で終日、交通を遮断するストライキ{ハルタル}を宣言し
た。

昨日、集会が禁じられたカグラチャリ市では陸軍、機動部隊、バングラデシュ・
ライフルズ(国境警備隊)の混成軍が重装備に身を包み、通りをパトロールしてい
た。

治安部隊が逃走中の先住民族を特に僻地で捜索している間、街の内外で入植者た
ちが重要な商店街や公共施設を警護していた様子から、その日も入植者と先住民
族コミュニティ間が依然として高い緊張に包まれていたことは明白だ。

現在実施中の中等教育修了資格試験(SSC)は一切混乱することなく実施された。
先住民族の受験者たちは襲撃をおそえて試験会場まで集団で登校した。

カグラチャリ市では全日に渡り、交通機関および商業活動が営業がストップ。火
曜日の夜の外出禁止令も昨日の朝7時に一旦解除された。
治安部隊は火曜の夜9時から昨日の朝までの一斉捜索で、先住民族48人、Narikel
Bagan, Muslim Para, Ganj Para, College Gateおよびその他のカグラチャリ市内で先住民族42人、入植者28人を合せて70人を逮捕した。

しかし、この逮捕劇は逮捕された者の殆どが無実だと多くの先住民族を憤らせ、
結局、民族の敵対感情に油を注ぐことになった。

昨夜までに市内の警察署に逮捕された人の中には、カグラチャリ市評議会のAbdur
Rab Raza評議員も含まれている。

この6日間の衝突は死者3名と負傷者70名を出し、そして先住民族の家400軒を含む500
軒以上が放火され、先住民族3000人とベンガル人500人が家を失った。

昨日、Shamsul Hoque Tuku内務担当国務大臣がカグラチャリとランガマティを訪
れた。大臣は訪問中、{事件は}BNPとジャマティ・イスラミ(イスラム協会)が
国を混乱に陥れようと仕掛けた陰謀であると発言した。

Dipankar Talukder CHT担当国務大臣およびCHT難民問題対策委員会議長Jatindra
Lal Tripuraも両県を訪問した。

しかし、彼らの訪問中は、殆どの先住民族が襲撃や逮捕を恐れ家から出られなか
ったり、身を隠していたりして高官たちに会いに来る事が出来なかったこともあ
って、緊張が若干やわらいだように見えた。

ベンガル人入植者たちが、さらなる暴力の準備を調えて広場や街頭で待ち構えて
いたので、家を出て深い森で野宿を続けていた多くの先住民族は昨日も帰宅する
ことが出来なかった。

「丘陵民とベンガル人はバングラデシュの市民です。そして、私たちはすべての
反国家的な陰謀に抵抗します」とTuku内務担当国務大臣は述べた。

彼は、既得権者たちは政府が丘陵住民たちのために計画した丘陵の開発プロジェ
クトを住民から奪いたいため、彼らはCHTの不安定化を望んでいるのだと、述べた。

Tuku大臣は放火事件のあった土地の近隣を訪問し、政府は一日も早く生活再建た
めの支援を行うことを被害者たちに保証した。

また大臣は法執行機関に対し、彼らに課せられた公の保護義務を怠ることは許さ
れるものではなく、そのような義務違反行為を犯したと認められれば誰であれ厳
罰に処すると警告した。
 しかし、彼はカグラチャリ県の行政機関により放火事件の被害者であると認定さ
れている92世帯の生活再建支援までに、政府にどの程度の時間が必要であるか、
はっきりとは言わなかった。被害者として認定された世帯の殆どは先住民族であ
る。

また大臣はランガマティ県のサジェク委員会ビルで開かれた集会において、丘陵
地帯を不安定化させるあらゆる陰謀を阻止するよう丘陵民たちに訴え、そして、
法執行機関に対して、人々の不満や要求に耳を傾け、もし誰であれ告発を望む人
がいれば、事件として受理するよう求めた。

大臣は、後にカグラチャリへと波及した衝突が最初に勃発したランガマティ県バ
ガイチャリ副県の被災住民に対し、政府として消失した家屋の再建支援に200万タ
カ(約250万円)、商店の修理に100万タカ、トタン500束、米300トンを支給するこ
とを表明した。

カグラチャリの放火被害者に対ついては、政府緊急緊急援助として70万タカの金
銭と米200トンを表明し、後でさらなる支援を追加したいと記者たちに語った。

カグラチャリ県長官 Mohammad Abdullah 氏はデイリースターに対して、「丘陵地
帯の危機は、CHT土地委員会とCHT難民問題対策委員会が機能しない限り続く」と
語った。しかし政府は一刻も早くこの危機を解決すべく努力している、と言い足
した。

ところで、デイリースターの記者はカグラチャリ県各地とランガマティ県のバガ
イチョリとガンガラム・ムクを一日中訪問している間、なん組かのベンガル人の2
人組が乗る少なくとも一台のバイクに常に追跡されていた。記者が後で幹線道路
を使ってバガイチャリに行こうと、バガイチャリ方面の道から戻った時、入植者
たちは引き返した。彼らは別の山道を使って目的地に行かなければならなくなっ
たのだ。

ベンガル人入植者たちはカグラチャリのディギナラで記者たちの行く手を遮り、
恐ろしい剣幕で、即座に県内から立ち去るよう迫った。

ランガマティ県の行政とアワミ連盟は合同で、昨日、バガイチャリの被害世帯に
初めて救援物資を配布した。しかしながら、ほとんどの先住民族被災者は隠れ場
所から出るのを恐れ救援物資を受け取ることが出来なかった。しかし、攻撃を恐
れない勇敢なごく少数の人たちが救援物資の受け取りを手配した。

「私たちには何の安全もありません。ベンガル人は私たちを襲い、治安部隊は私
たちを逮捕しようと捜しています。
私たちにとっては、どちらも恐ろしい存在です」と、救援物資を受け取りに隠れ場所から来たチャクマの住民が語った。

「大臣は私たちがいつ帰れるのかについて一言も触れていません。私たちは救援物資を望んでいるわけでも、必要ともしていません。ただ、家に帰りたいだけなのです」と彼は言い添えた。

 カグラチャリ警察副長官のMohammadAmir Jafar氏は、特別捜索の間に逮捕された無実の人々同様多くの逮捕者は釈放される筈だ」と述べた。

警察に息子のルパヤン・チャクマを逮捕されたマハジョン・パラ在住のレベカ・
チャクマさんはいう。「息子が逮捕されたとき、あの子はリキシャを曳いていた
んですよ」。