2009/01/28 Wednesdayauthor: jummanet(n)

社説 ムロー氏の保釈の遅れは許されない

初出:2009.1.28
http://www.thedailystar.net/story.php?nid=73194

デイリー・スター紙 2009年1月28日

社説

ムロー氏の保釈の遅れ
囚人に対する非道な扱いは止めなければならない

ランライ・ムロー氏は、高等裁判所が保釈を命じてから実に19日も経過したあと、ようやく解放された。その19日間、彼は手錠を掛けられて刑務所のような病院の病床に拘束されていた。これは、明らかにあらゆる法律や礼節に反する、規範を逸脱した行為だ。この先住民族活動家を解放するのにどうして、これほども長く時間が掛かったのかを問わなければならない。その答えが警察当局に求められた。警察は、高裁の命令がバンドルバン治安判事裁判所に送られ、そこからダッカまで郵送するのに時間が掛かったと言って、この浅ましい事件を説明しようとした。もちろん、この遅れは警察の責任ではないが、仮に命令を先にバンドルバンに送ってからダッカに転送する必要があったとしても、裁判所命令が関連当局に届くのに、どうしてこんなに時間が掛かるのか不思議に思う。通信技術の発達した今日、これぐらいの遅れは当然だなどと言い逃れをすることは許されない。

また、病床に伏している間、ずっとムロー氏に手錠を掛ける必要がどこにあったのかという深刻な問題も残る。アイン・オ・シャリシュ・ケンドロ、国内人権委員会、ナゴリック・ウッデョグのような組織が彼の窮状に市民の目を向けていなかったなら、もしかしたら、そのような状況がずっと続いていたかもしれない。このような侮辱的な扱いは、24時間体制で病床が常に警察官に取り囲まれていたことによって、さらに酷いものとなった。わが国の法律や統治のお粗末な現状をさらす光景だ。ムロー氏はすでに法執行機関に非常に多くの苦しみを与えられていた。2007年2月に武器違法所持の嫌疑で逮捕されたときに、彼はひどい拷問を受けたといわれている。ムロー氏は、その後、有罪判決を受け、武器取締法の下で17年の刑を言い渡された。しかし、先住民族のリーダーである同氏が本件で嘘の嫌疑を掛けられたと考える個人や団体が存在する。このため、概してムロー氏の件は、わが国にとって深く憂慮すべき事件と言わざるを得ない。一方で警察に拷問を受けた疑いがもたれており、他方で手錠の使われ方にも疑問が残る。端的に言えば、(ムロー氏を弁護する人たちと同意しないわけに行かないが)、ムロー氏が非道な扱いを受けたといわざるを得ない。このようなことは決して起こるべきではなかった。

なぜランライ・ムロー氏がこのように扱われたのか、なぜ病院で手錠を掛けるような非人間的な行為が行われたのか、当局には説明する責任が残る。中世時代を彷彿とする、このような行き過ぎた行為は今後、厳として慎むべきである。