2007/08/29 Wednesdayauthor: jummanet(n)

相次ぐジュマ・リーダーの不当逮捕

初出:2007.08.29

暫定政権になってから既にPCJSS幹部20人、UPDF幹部10人を含め約50人のジュマ活動家と20人以上のジュマ市民リーダーが逮捕され、2人の罪のない村人が拷問死させられた。特に軍が逮捕現場に銃を持ち込んで逮捕者のものと見せかけ、武器不法所持で逮捕するケースが相次いでいる。また、保釈が認められない2007年緊急事態権限規則16(b)の下で逮捕されるケースも多い。逮捕されていない活動家たちも、活動を辞めると宣言する文書に署名を強いられるなど、圧力をかけられている。

2007年3月3日にランガマティ県ギラチョリ陸軍駐屯所でチョイチョリ村出身のシュレシュ・モホン・チャクマ氏(40歳)が拷問を受けて4日後に死亡した。同氏は自宅で高熱を出して点滴を受けていたところを逮捕令状も理由も示されないまま軍に連れ去られ、殴る蹴るの暴行を受け、3日後の3月6日に解放され、その翌日に死亡した。ランガマティ県ナニアチョル郡デワンパラのラセル・チャクマ氏も8月5日に軍に逮捕されて拘留中に死亡した。軍は心筋梗塞によるとしている。しかし検死のためにランガマティ病院に運ばれた遺体には多くの外傷が見つかった。

PCJSS書記長ショットビール・デワン氏、ムロー民族リーダーのランライ・ムロー氏、PCJSSカプタイ支部代表ビクラム・マルマ氏が逮捕され、3人ともチッタゴン省裁判所から武器不法所持などを理由に禁固17年の実刑判決を言い渡された。PCJSSカプタイ支部組織化担当サイ・モン・マルマ氏も同じ理由で禁固10年の刑を受けた。

ショットビール・デワン氏の息子、ポロ・デワン氏によると、父親が逮捕される時に兵士が手製の銃をベッドの下に隠すのを見かけ、抗議したところ「一緒に逮捕する」と脅されたという。

ランライ・ムロー氏は、バンドルバン県で陸軍基地の拡張によりムロー民族の土地が収用されることに抗議していた。2月23日に軍に逮捕され、駐屯地で激しい拷問を受けた。怪我はバンドルバン警察署が身柄の引渡しを断るほどひどく、軍の監視下で入院させられた。6月に起訴され、7月に判決を言い渡された。バンドルバン県ではルマ陸軍基地の拡張のために7570エーカー(3060ヘクタール)の土地を収用する目的で政府は3月に同地域に住む約4000世帯のムロー民族に退去命令を出した。チッタゴン丘陵森林・土地権保護委員会によると同県では既に40,077エーカーの土地が入植者に違法にリースされ、94,066エーカーがいわゆる植林プロジェクトで、75,686エーカーが軍の基地の建設で没収されたという。

丘陵ウォッチ人権フォーラムおよびUPDFのリーダー、ミルトン・チャクマ氏も5月29日にカグラチョリのチェンギ橋で軍に令状なく拘束され、後日虚偽の殺人嫌疑で起訴された。

帰還ジュマ難民福祉協会事務局長、ショントシト(ボクール)チャクマ氏も6月3日に難民・国内避難民復興タスクフォース会合から帰宅する途中で理由なく逮捕され、緊急事態権限規則の下で現在も拘束されている。ジュマネットでは同氏と長年の交流があり、彼の安否を深く憂慮している。

PCJSS中央委員ショクティポド・トリプラ氏と丘陵学生評議会カグラチョリ支部財務担当ボラーシュ・トリプラ氏も7月14日に武器不法所持の虚偽の嫌疑で起訴された。ショクティポド氏の連れ合いによると、軍はこの日、同氏の家で捜索を行い、家の裏から手製の銃を発見したと言ってボラーシュ氏を逮捕したという。家にいなかったショクティポド氏は、逮捕を免れるために逃亡している。

また、PCJSS中央委員タティンドロ・ラル・チャクマ氏は5月5日にグラミン銀行バブチョラ支店長モハマド・フヤッド・フセイン氏が通報した虚偽の恐喝事件で逮捕された。チャクマ氏の連れ合いによると、フセイン氏は軍からの圧力で夫を訴えるよう仕向けられたが、7月に裁判所でチャクマ氏の事件への関与を否定したため、一旦は保釈されたという。しかし軍からの強い圧力でフセイン氏がこの供述を撤回したため、7月23日にチャクマ氏は保釈が取り消され、8月2日には殺人容疑でも告発された。

出典:ACHR Review/182/2007