先住民族

2010/09/05 Sundayauthor: Simo

ハジョン(Hajon)のこと(4)

ハジョンのこと、これで最後です。

チナマティ(China-Mati)の問題のことです。


 今回Durgapur郡のBagaula地域に行ったとき、初めてチナマティ問題を知りました。

 チナマティとは、バングラデシュで陶器(現地でChina:チナ=陶器)をつくるための白土のことです。特にDurgapurの国境沿いの土は、バングラデシュで最高の土ということで、何十年も前から、土地の採集が続いています。小高い丘の白土を人足を使って掘り出し、トラックや船で運ぶのですが、これらの作業は政府から公式の採集許可をとったベンガル人による小さな会社(請負人)が行っています。


 採取場所が減ってきたこともあり、最近は丘に住んでいるハジョンのところにも会社が入り込んできて、家のすぐ脇の土地を深くえぐりとって採集をするようになってきています。そのため土砂が崩れ家が崩壊した場所、溝ができて家まど遠回りして行かざる得ない人、違う場所に住み変えた人などが続いています。

 私が訪ねたとき、すでに業者が入り込んで、ハジョンの家の脇を深く掘っていました。「どうして勝手に掘るんだ」と尋ねても、「俺たちは雇われているだけだから」と黙々と作業と続けていました。近くに住むハジョンの人も、佇んで作業を見つめていました。こうした状況が数年前から続いているということです。

 土採集会社は、賃金未払い問題を抱えているもの多く、会社側が労働者にまとまったローンを貸し付け利子をとるため、賃金だけでは返せない人も続出しているようです。そのためここで働いているHajonの人々はひどく搾取されているようです。
 一度抗議デモを実施し(すいません時期は確認していませんが)、新聞等にも掲載されたようですが、政府や会社側の動きはあまりなかったようです。この問題は深刻で、以前ジュマ・ネットがフリバリ炭鉱の問題を扱いましたが、これに似た構造を感じました。

 以上です。
 平野部の問題にジュマ・ネットとして何ができるのかわかりません。
 ただ、お世話になった方々、文化が押し殺されているハジョンの人々、チナマティ採取が理由で住む場所を奪われている人のことを考えると、やりきれない気持ちです。(写真は、ハジョンの家の脇の土を採取する業者たち)

チナマティ.jpg

2010/09/05 Sundayauthor: Simo

ハジョン(Hajon)のこと(3)

ハジョンの続きです。

 

なぜこんなに人口が減ってしまったのでしょうか。

 パキスタン時代に急激に人口が減ったのは、1964年に起きた、ベンガル人の襲撃事件だったそうです。

 これはインドがアッサム地域に広がってきたベンガル人移住者を強制的にパキスタン側に追い返し、難民化したベンガル人がこのインド国境沿いにあふれ、政府は対応に苦慮していました。64年に小さな事件をきっかけにベンガル人のハジョン、ガロを狙った襲撃事件が発生、ハジョンらは大量にインド側に逃れました。多くのハジョンはインドから戻らず、彼らの土地の多くがベンガル人難民に分け与えられたということでした。

 こうした事件は、71年、75年にも発生していますが、最近は減って、ほとんど起きていないそうです。(写真は、ハジョンコミュニティに向かう道です。すぐ向こう側がインドです。)

 

ハジョンの村に向かう.jpg

2010/09/05 Sundayauthor: Simo

ハジョン(Hajon)のこと(2)

さて、前回の「ハジョン」の続きです。

 わずかな時間ですが、彼らと接して強く感じたのは、「ハジョン意識の弱体化」「ベンガル化」です。

 たとえばベンガル人に囲まれた地域では、子どもたちはHajonの言葉を話せず、ベンガル語を常用し、年配者が家の中だけでHajonの言葉を使っているとこがいくつかありました。そうでない地域でも、Hajon語の中にかなりのベンガル語が混じって使用されているようです。


 また「Patin」という胸のあたりで巻いて着る女性の民族衣装も、糸が高いということでほとんど織られておらず、ほとんどの女性がサリーを常用しています。また頭の結い方も、これまでは後ろ左側に巻き込むように結っていたものが、ベンガル人女性と同じ髪型になってきています。お酒も近隣のベンガル人を気にしてあまり飲まないようにしているようです。


 ヒンドゥー教の神々が、コミュニティによって異なるため宗教共通の催事がなく、Hajon共通のネットワークがあまり強化されていないようです。ただ、古くからおこなわれてきた収穫祭のような「Kamakka」と呼ばれるお祭りがあるようです。しかし、これらはこれぞれのコミュニティでバラバラに行われているようです。

 土地の所有面積も少なく、非常に困窮しているのがわかりました。多くの人々が賃労働をしてしのいでいます。土地の喪失により、経済的にも大きな打撃を受けています。

 最後に。どこで話しても感じるのが、人々の「自信のなさ」といった雰囲気です。自分たちの文化を自由に楽しんだり、意見を主張したり、行政府に働きかけて要望を伝えたりということに、人々の強いパワーを感じることができませんでした。(写真は、村のことを聞きにいったときに集まってくれたハジョンの人々です。子どもが一番多かったです) 集まってくれたハジョンの人々.jpg

2010/09/05 Sundayauthor: Simo

ハジョン(Hajon)のこと (1)

 今回、チッタゴン丘陵への出張後、バングラデシュ、マイメンシン県北部のハジョン(Hajon)の人々の村々を少し周ってきました。そのことを簡単にご報告します。

 ハジョンの人々とは、1991年頃、シェルプール県を歩いていたころ、偶然彼らの村を見つけ、ハジョン民族の存在を知りました。今回の訪問は、バングラデシュ先住民族社会の中で、彼らのプレゼンスがかなり弱いと感じることが多く、一度現場を見てみようと思ったからです。

 今回訪問した場所は、マイメンシン県のハルアガット、ネットロコナ県のドゥルガプール、シェルプール県のナリタバリという場所です。インド側のメガラヤの山々がかすんで見え、水田が広がり、アモンの田植えでどこも忙しそうでした。ときどき象が現れて、地域の村を襲うそうです。

 英国植民地時代は、マイメンシン地域全体にハジョン民族が主流民族として生活をしていたそうです。今はこの地域のマジョリティ先住民族となっているガロ、また今はほとんどインド側に移住してしまって数くないBanai民族、Dal民族も数多く住んでいたそうです。インド側にもハジョンが多数いるということですが、現在どのくらいの人口なのか調べていないのでわかりません。

 彼らはヒンドゥー教を信仰し、古くから稲作を中心とした農業を営んでいました。人口は1951年時に35,000人、現在は18,000人程度まで減少していると言われています。

 今は、私が見てきた地域にハジョンがかたまって住んでいると言われ、バングラデシュの先住民族の中でも、ベンガル化が進み、政治的・社会的にも弱い先住民族として指摘されています。顔かたちはガロとベンガル人を合わせたような風貌で、家も土で造られたものが多かったですが、ベンガル人の家に似ていると思いました。(写真は、ハジョンの女性で、パティンという民族衣装を着ているところです) ハジョン 女性衣装.jpg

 

バングラデシュ、チッタゴン丘陵和平協定の実施と平和を求めて署名キャンペーンを行なっています。★オンライン署名サイト⇒http://cht-global-voices.jp/ 


<署名キャンペーンにご協力頂いている皆様へ>

皆様からのご協力のおかげで、署名数がようやく「約7,600名」を超えました。
賛同団体の皆様、会員の皆様、支援者の皆様、また初めて「チッタゴン丘陵について知りました」という皆様からもご協力を頂き、心より感謝申し上げます。
オンライン署名の他にもFAXや郵送で続々と署名が届いております。ありがとうございます。

ようやく海外からの署名もエンジンがかかり、数が増えて来ました。
「10,000名」署名が目前に迫ってきました。何とかこれを超えて、国際市民社会からのインパクトをバングラデシュ政府に届けたいと思いますので、皆様、まだ最後までどうかご協力をよろしくお願い致します。(当初の目標は10万です)

【★重要なお知らせ★】署名の「締め切りを延長」致しました!
・郵送の場合:2010年『3月5日(金)』必着
・オンライン署名:2010年『3月5日(金)』頃
・提出時期:2010年3月中旬

※バングラデシュ政府に"効果的"に署名を提出するために現在調整を行っております。日本のみならず、バングラデシュを含めて呼びかけ団体間の相談によって、署名提出を3月中旬に変更いたしました都合により、署名の締め切りが、約1ヶ月延びることになりました。

※解説付きの署名用紙パンフレット
配布してくださる方は、ぜひジュマ・ネット事務局までご連絡下さい!すぐ送付致します。

※7名分署名が出来るフォーマットもダウンロード可能です(締切日は3/5です)

※引き続き、オンライン署名をぜひ、呼びかけて頂ける様にご協力をよろしくお願い致します。(ジュマ・ネット一同より)

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【転送歓迎】 ぜひご署名をよろしくお願い致します(ver.10.1.29)
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   バングラデシュ、チッタゴン丘陵(CHT)和平協定の実施と
       平和をを訴える世界同時キャンペーン
   Global Voices for Peace in the Chittagong Hill Tracts !
   オンライン署名はこちらから⇒http://cht-global-voices.jp/
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<賛同人・Mesbah Kamalダッカ大学歴史学部教授、バングラデシュ先住民族権利運動事務総長からのメッセージ>

バングラデシュ首相殿

貴殿はCHT和平協定を調印に至らせる勇気をお持ちでした。このため政治的な問題を政治的な手段で解決する歴史的な機会が作り出されました。今やチッタゴン丘陵の恒久和平を保障するために引き受けられた任務を貫徹すべき潮時です。
多様性を強みとして是認し、多元性を国策の基本方針とする機が熟しています。
民族、宗教、カースト、信条に関係なく全ての国民の対等な権利を確立する指導力を発揮してください。丘陵民の指導者と協議の上でCHT和平協定の完全実施の計画表を策定し、それを順守してください。

<賛同人Bob Brown上院議員(オーストラリア緑の党 党首)からのメッセージ>

国際社会は、ジュマ民族が自らの土地で平和を確立しようとする闘いを強く支持しています。新政権がチッタゴン丘陵和平協定の実施に前向きな姿勢を示していることに勇気付けられますが、すでに10年以上遅れている協定を完全に実施するよう改めて強く要請します。

<賛同人・阪口 直人衆議院議員(民主党)からのメッセージ>

和平協定の実施を後押しする為にチッタゴン丘陵に行きます。日本政府、そして日本の人々にもより強い関心を持ってもらえるよう、国会議員として取り組みます。

※オンライン署名サイトから、賛同人や賛同団体と、これまでの署名者から寄せられたメッセージを読むことが出来ます。⇒http://cht-global-voices.jp/

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<問題のあらまし> ジュマ・ネット代表 下澤嶽より

バングラデシュ、チッタゴン丘陵の民族対立と紛争はすでに30年近い時間が経とうとしています。1997年に政府とジュマの間で和平協定が結ばれたにもかかわらず、いまだに協定は実施されず、アジアの慢性的な紛争の典型例となっています。

しかし、2008年12月の選挙でマニュフェストに「和平協定の完全実施」を掲げていたアワミ連盟が勝利して与党として政権に返り咲き、大きく風向きが変わりました。

さらに2009年8月には、チッタゴン丘陵から軍の撤退が一部実現するといった、平和構築につながる動きが徐々に見られるようになってきたのです。

とは言え、人権侵害や土地紛争など問題は山積しており、予断を許さぬ状況です。一番の焦点は、バングラデシュ政府軍がここの利害関係から手を離せるかです。

そのために国際的な関心の喚起と、声(ヴォイス)が必要です。いま、チッタゴン丘陵はその課題の取り組みの歴史の中で、平和構築に向けた最大のチャンスを迎えつつあります。

ぜひ皆さんのヴォイスを出してください。それをバングラデシュ政府とバングラデシュ政府軍、そしてバングラデシュの市民の良心に届けましょう。

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<参考リンク>
朝日新聞2009/12/24 国際面『紛争地に和平の兆し 新政権、軍の一部撤退』

<チッタゴン丘陵(CHT)問題について、初めて聞く方へ>
CHT問題とは、和平協定とは⇒http://www.jummanet.org/cht/

<オンライン署名サイト>
●以下のサイトからぜひ署名をよろしくお願い致します!
 様々な国から、署名とメッセージが寄せられています。

<現在の署名数>
オンライン署名:5,600(1/29現在) 
紙による署名(バングラデシュ):約2,000 
合計で約7,600名(何とか1万が見えてきました!)

<署名集約と提出予定【変更しました】>
署名しめきり(郵送の場合):2010年3月5日必着
署名しめきり(オンライン署名):2010年3月5日頃
提出時期:2010年3月中旬

●以下のシェイク・ハシナ首相への要請にご賛同いただける方は、ぜひこちらからご署名をよろしくお願い致します。⇒http://cht-global-voices.jp/(オンライン署名)

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<要請文>

バングラデシュ人民共和国首相 シェイク・ハシナ殿

「CHT和平協定の完全実施を求めます。」

CHT和平協定の中で約束された、全ての土地紛争の解決、仮設駐屯地の撤退、県評議会・地域評議会への行政権の委譲、帰還難民と国内避難丘陵民の生活再建が、時限つきの工程表のもとで完全実施されることをバングラデシュ政府に要請します。

<呼びかけ団体>(4団体)
・ジュマ・ネット(日本)
・Organising Committee Chittagong Hill Tracts Campaign(オランダ)
・Indigenous Jumma People's Network USA (アメリカ)
・Jumma People's Network of Asia Pacific Australia(オースト ラリア)

<賛同人>(現15名)
・Mairead Corrigan-Maguire, 1976 Nobel Peace Prize Laureate,
  Co-founder of the Community of Peace People
(北アイルランド 1976年ノーベル平和賞受賞者)
・The Hon. Laurie Ferguson MP, Federal Member of Reid (NSW),
  House of Representatives, Member of the Australian Labor Party (ALP)
(オーストラリア 労働党 国会議員)
・茂田 真澄(勝楽寺 代表役員)
・池田 香代子(翻訳家)
・阪口 直人(民主党・衆議院議員)
・服部 良一(社民党・衆議院議員)
・Mohiuddin Ahmad, Chairperson, Community Development Library
・The Hon. Senator Bob Brown, Leader of the Australian Greens
(オーストラリア 緑の党 党首)
・The Hon. Janelle Saffin MP, Federal Member for Page,
  House of Representatives,Member of the Australian Labor Party (ALP)
(オーストラリア 労働党 国会議員)
・Ricardo Carrere, International Coordinator, World Rainforest Movement
(世界熱帯林運動 国際コーディネータ)
・Marcus Colchester, Director, Forest Peoples Programme
(森林に住む民族のためのプログラム 事務局長)
・Michael Heyn,Director, CHT Development Facility of UNDP
(UNDP-CHT事業責任者)
・Meghna Guhathakurta, Executive Director, Research Initiatives,
 Bangladesh
・The Hon. Lee Rhiannon, MLC, The Greens Parliament of New South Wales 
 Australia(オーストラリア、ニュー・サウス・ウェールズ州議会上院議員)
・Dr. Sikder Monoare Murshed (Shourav Sikder), Professor and Chairperson
  Dept. of Linguistics, University of Dhaka
  (ダッカ大学言語学部長・教授)

<賛同団体>(現50団体)
・Association for Land Reform and Development (ALRD)
・Jumma Peoples Alliance (JPA)
・Jumma Peoples Network International
・Jumma Peoples Network in Japan
・Peace Campaign Group India
・Society for Environment and Human Development (SEHD)
・Survival International
・Vanishing Rites , UK
・New Internationalist Japan 
・Sarawak Campaign Committee 
・アジア女性資料センター(AJWRC)
・アーユス仏教国際協力ネットワーク 
・開発と権利のための行動センター
・「環境・持続社会」研究センター(JACSES) 
・認定NPO法人アジア日本相互交流センター・ICAN 
・NGO自敬寺
・市民外交センター 
・ジュマと歩む会
・浄土宗西山禅林寺派 宝泉寺
・先住民族の10年市民連絡会
・チェチェン連絡会議
・NPO法人懐かしい未来
・FoE Japan
・インドネシア民主化支援ネットワーク
・宗教法人孝道山本仏殿
・社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
・ビルマ市民フォーラム
・(特活)シャプラニール=市民による海外協力の会
・(特活)アジアキリスト教教育基金
・(特非)地球の木
・(特非)WE21ジャパン
・(特非)WE21ジャパンかなざわ
・(特非)WE21ジャパンいずみ
・(特非)WE21ジャパン旭
・(特非)WE21ジャパン大和
・(特非)WE21ジャパン港南
・反差別国際運動(IMADR)
・反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)
・生活クラブ生活協同組合・東京
・(社)日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)
・Asian Muslim Action Network
・Youth Coordination Center International
・Asian Muslim Lawyers Network
・Dependent Origination Society (DOS)
・Bangladesh Indigenous Peoples Forum
・AJHA International Chakma Organisation in France
・Jumma Peoples Network France
・Society for Women's Empowerment and Sustainability-SHRISTI (Nepal)
・SampreetiMancha
・Society for Threatened Peoples - Germany

(順不同・以後追加予定)

・現在署名者数 約7,600名(1/29現在、オンライン署名と紙の署名の合計)

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<キャンペーン事務局・お問合せ・署名送り先>
 ジュマ・ネット事務局(担当:佐藤・松田)
 〒110-0015東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル5F
 TEL&FAX:03-3831-1072(火曜~土曜10時~18時)
 Email:jummanet@gmail.com 
 URL:http://www.jummanet.org/
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