2014/12/27 Saturdayauthor: JummaNet サイト管理者

【続報】ランガマティ県ナニアチョル放火・襲撃事件

2014年12月16日にランガマティ県ナニアチョル郡ブリガット・ユニオンで先住民族の村々が襲撃され、五十数軒の住居と7軒の店舗が放火され、仏教寺院が破壊行為を受け、仏像を盗まれ、僧侶が暴行を受けた。

その後、焼き出されたジュマ住民は寒い冬空の下で厳しい野外生活を強いられている。
ジュマもベンガル人も治安の悪化を恐れて寝ずの番を続け、互いに接触を避けており、陸軍と警察が周辺でパトロールを強化している。

2014年12月17日に各地で同事件に抗議する活動が行われた。
午前10時~12時半にかけて先住民族がランガマティ-カグラチョリ間の幹線道路の数箇所で「人の鎖」行動を行い、略奪された仏像の返還、犯人の処罰などを求めた。
UPDFの活動家たちもランガマティ-カグラチョリ間の幹線道路を数時間封鎖した。
一方、PCJSSラルマ派ランガマティ県支部はランガマティ県庁までデモ行進を行い、抗議集会を開いた。
また、ダッカ大学で丘陵学生評議会と丘陵女性連盟が抗議集会を行なった。
国際チッタゴン丘陵委員会、Ain-o-Salish Kendraなどの人権団体もこの事件に関して政府に抗議文を送っている。

12月17日に事件現場を訪問したアワミ連盟県代表・元国務大臣ディポンコール・タルクダール氏、フィロザ・ベグム・チヌ国会議員、県評議会議長ニキル・クマール・チャクマ氏が被害者たちにトタン、毛布100枚、現金などを配ろうとしたが、被害者たちは、住居を再建して再発防止策を講じることを強く要求し、その支援物資を受け取ることを拒んだ。
ナニアチョル郡評議会議長ショクティマン・チャクマ氏が率いる委員会がジュマとベンガル人の間の仲立ちと被害の査定を行おうとしている。
郡行政官モハマド・ヌルッザマン氏によれば、政府は、まず15軒の家の再建から着手する予定だという。
日本の「ちぇれめいぇ・プロジェクト」を含め、様々な民間団体もジュマの被害者への救援物資の配布を開始している。

ジュマ民族が慣習的に利用してきた約4ヘクタールの土地にベンガル人入植者たちが植えたパイナップル45万本とチーク苗木2万本が12月15日の夜に何者かによって破壊されたことに対する報復として襲撃事件が発生したと見られている。
作物を破壊された入植者たちは、この土地を別のベンガル人から二年前に購入したと主張している。
彼らは、作物を破壊した犯人の訴追と政府からの補償を求めており、ジュマだけに支援が集中することに対する不公平感を募らせている。

ジュマ住民は、バングラデシュ民族主義党(BNP)ナニアチョル郡支部の代表、書記長、活動家たちが陸軍から後援を受けて襲撃を行なっているところを目撃したと主張している。
ジュマ住民は攻撃に抵抗して住居を防衛するつもりでいたが、軍が空砲を発射し、警笛を鳴らしているのを聴いて近くのジャングルに逃げることを決めたと語った。
一方、ナニアチョル管区司令官ソヘル中佐は、軍が襲撃を助けたことはないと力説し、特に仏教寺院が放火されないよう暴徒を棍棒で鎮圧し、消火活動も行なったと主張した。
サイフッディン・アハメド判事が率いる3人の調査委員会が事件現場を12月22日訪問した。
調査結果が出るまで告訴状を受理することを警察が拒否していると両コミュニティー住民が訴えている。

出典:デイリー・スター紙2014/12/18, 20, 23、ダッカ・トリビューン紙2014/12/19, 20。
要約:トム・エスキルセン