2013/08/08 Thursdayauthor: JummaNet事務局

マティランガで再び襲撃事件、数百名に及ぶ放火の被害

2013年8月3日日曜日、マティランガのタバルチャリにおいて、ベンガル人入植者がジュマの人々を襲撃する事件が発生した。被害の規模については情報が錯そうしているが、死傷者数名、数百名のジュマの人々の家に火が放たれた。7月にも、近隣のトリプラ村において誘拐・暴行事件が発生したばかり。現地で和平活動を進めているチッタゴン丘陵(CHT)委員会は、今回の事件を受け、現地のインターネット新聞社「bdnews24.com」にプレスリリースを行い、8月6日付けで下記の記事が配信された。

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CHT委員会は8月6日火曜日、バングラデシュ政府に対して、8月3日日曜日に発生した襲撃事件に関し、ジュマ民族の人権を保護するため迅速な対応を求める声明を発表し、詳細な調査を行うことを求めた。

8月3日日曜日、何百人もの入植者たちがマティランガのタバルチャリを襲撃、5名の住人を攻撃し、うち1名が死亡、他の4名は重傷を負ったとされている。また、チャクマ族とトリプラ族が居住している5つの村が焼き討ちにあった。

CHT委員会は、繰り返される放火は、ベンガル人入植者が攻撃された、誘拐されたなどという噂に流されて行われている傾向があると述べ、「彼らは数時間のうちに結束し近隣の先住民族の村への襲撃を行う」と語る。

プレス声明は治安部隊が先住民族の生命や生活の保護のために有効な手立てを行っていないことを強く非難している。治安部隊は裏で入植者を支持しているとも言われている。

国境警備隊(以下BGB)が14から15名の先住民族を拘留したとの報告も入っており、1000人以上の先住民が近隣のトリプラ村に避難を余儀なくされている。

Asian Centre for Human Rights (ACHR)の代表シュハス・チャクマ氏は、「BGBは放火犯たちを逮捕するのではなく、たくさんの罪のない先住民族を拘留した。ボクル・チャクマ氏などのlocal Union Councilのメンバーたちも含まれており、非情な拷問が行われるであろう」と語った。

CHT委員会は、このような襲撃事件が起こっているなかで、軍、警察、国境警備隊を含む治安部隊の役割について、政府から明確な説明がなされるよう要求している。

繰り返される先住民族への不当な暴力事件を通して、チッタゴンにおいて自治権が守られていない現状が露呈されていると声明は語る。依然として軍による支配が続き、政府は住民の正当な人権の保護を怠っている。

CHT委員会は、マティランガや他のチッタゴン丘陵地帯に住む先住民族に対する襲撃を防止するため迅速な対応をとることと、これまでの放火により家や財産を失ったすべての被害者に対す る補償を強く政府に求めた。襲撃を恐れ国外へ脱出した住民は、再び安全を保障され帰還する道を得られなければならない。

(出典:「bdnews24.com」8/6付け記事を抄訳)