2012/05/09 Wednesdayauthor: JummaNet事務局

「世界の先住民の国際デー」への協力を禁止する行政指導、国会副議長も暴言

◆「世界の先住民の国際デー」への協力を禁止する行政指導◆

2012年3月11日にバングラデシュ政府の地方自治・農村開発省から「世界の先住民の国際デー記念行事の開催に関して」と題する行政指導の手紙が全国の県長官に送付され、さらに県知事から郡行政官やユニオン評議会に周知された。手紙では、例年8月9日に開催されてきた国際デー記念行事に関して次のように指導した:
 a) 公務員が政府の政策と矛盾するスピーチを記念行事でしないよう指導すること
 b) 「世界の先住民の国際デー」記念行事への支援・助成などをしないこと
 c) 国内に先住民族が存在しないことを印刷・電子メディアで周知すること
 d) 8月はムジブル・ラーマン初代首相が暗殺された「喪に服す月」であり、不謹慎な祝い事は慎むこと。


◆国会副議長も暴言:「バングラデシュはベンガル人の国。ベンガル人以外に住む余地なし」◆

4月4日にシシュ・アカデミー(児童文化学院)の行事でバングラデシュ国会副議長およびCHT和平協定実施委員会委員長でもあるサジェダ・チョウドゥリー氏は「バングラデシュはベンガル人の国です。ベンガル人以外の人々がこの国に住む余地はありません」と発言し、「この国はムジブル・ラーマン初代首相のベンガル民族主義の思想によって解放されました。この思想と相容れない考え方は許されません」と付け加えた。


コメント:国内紙New Ageはチョウドゥリー氏の発言を「狂信的でファシズム的なベンガル民族主義」の発露と痛烈に批判した。CHT委員会も「世界の先住民の国際デー」に関する行政指導に対する抗議文を地方自治・農村開発省に送付した。シェイク・ハシナ首相でさえ、就任後間もない2009年に「世界の先住民の国際デー」記念行事で国連先住民族権利宣言の実施への意欲を語り「先住民族が自分のアイデンティティーを保持しながら、他の国民と同じように尊厳を持って生きられるようにすることは我が政府の責務」と発言している。その豹変ぶりに先住民族は失意を隠せず、批判の声が高まっている。


出典:New Age紙2012年4月6日
   chtnews.com 4月25日
   CHT委員会 4月29日付抗議文
翻訳:トム・エスキルセン