2012/01/14 Saturdayauthor: JummaNet事務局

政府がCHTへの外国人の訪問を厳しく規制- CHT委員会も退散を余儀なくされる

 

政府は最近、チッタゴン丘陵への外国人の旅行を非常に厳しく規制し始めている。新しいルールで外国人は県知事だけでなく、内務省と外務省からも事前に許可を受けなければならないこととなった。また、先住民族のグループや宗教集団と話し合いをするときは、必ず、政府の担当官を同伴させることを義務付けた。

PCJSSや現地NGOは、ドナーや国際機関の行動が不当に制約されるとして、憂慮を表明している。しかし政府筋は、人権擁護や宗教の名目でCHTを訪問する一部の外国人が非倫理的で反国家的な活動をしている証拠が見つかったとしている。

20121126日にバンドルバン市で先住民族と対話しようとしていたCHT委員会も政府から反対に遭い、会合をキャンセルすることを余儀なくされた。行政官がCHT委員会の委員に見せた通達書には、政府担当官の立会なしには、「小さなエスニック・グループ」と集会を行うことを許可しない、と書いてあった。この指令に抗議してCHT委員会は予定されていた2日間のバンドルバン県訪問をキャンセルし、同日夜に同県を離れた。

バンドルバン県を訪問する外国人への許可証には、全ての訪問個所、活動予定を警察に知らせ、届け出た以外の目的・場所で、政治活動や宗教活動、布教・説教などをすることを禁止すると書いてある。また、県知事の許可なく、通学児童やその親・コミュニティーにお金を寄付すること、改宗を促すことも禁止している。同県知事ミザヌル・ラーマンによれば「これらの条件は、国家安全保障のために内務省が発した指令に基づく。最近、学校に入学させると言って子供を連れだした人身売買業者が逮捕された。外国人が改宗への誘因として金を渡しているという報告もある。このため対策を余儀なくされた」と説明する。

バンドルバン県知事が県内のホテルなどに送付した手紙でも、県知事の事前の許可なしに外国人の予約を取らないよう指示しており、許可なく滞在した外国人に不祥事が起こった場合は責任を問うとしている。ホテル経営者たちは、恐れからマスコミへのコメントを控えている。ある匿名を希望するホテル経営者は、すでに外国人観光客やNGO関係者の訪問が減っており、観光業への影響が広がるだろうと語った。

(カレル・コント紙、20111211)