2011/05/19 Thursdayauthor: 共同代表 トム・エスキルセン

在日ジュマ団体がラムガー/マニクチョリ事件に抗議してデモ行進

2011年5月2日午前にワールド・ジュマ・ボイス・オブ・ジャパンとジュマ・ピープルズ・ネットワーク・ジャパンが4月17日のラムガー/マニクチョリ襲撃事件に抗議するデモを実施し、要請書をバングラデシュ大使館に手渡しました。両団体の三十数名のジュマ民族と日本の支援者6名が参加し、ビルマのアラカン人も数名、応援にかけつけました。警察の誘導の下、五反田南公園から10時に出発して山手通を北上し、大鳥神社から目黒通りを西に進んでバングラデシュ大使館への入り口を過ぎ、油面公園で解散しました。ベンガル語、英語、日本語で元気にシュプレヒコールを上げ、道行く人たちにアピールしました。


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要請文を手渡すためにディプティさんとルパさんが両団体を代表してバングラデシュ大使館に行きました。待合室でしばらく待たされたそうですが、最後には担当官に要請書を手渡し、その説明も出来たそうです。大使館で手渡しを終えたディプティさんたちが油面公園に戻り、数名がスピーチをして終了しました。

今回のデモでは、在日ジュマ2団体が立場の違いを超え、声をひとつに平和を訴えることができました。支援者の皆様に心からお礼を申し上げます。今後、5月20日に両団体は外務省との話し合いも予定しています。引き続きご協力のほど、宜しくお願いいたします。

 

 

2011417日のバングラデシュ・カグラチョリ県ラムガー郡・マニクチョリ郡での先住民族ジュマに対する野蛮な攻撃に関する覚書

 

バングラデシュ人民共和国首相

シェイク・ハシナ閣下

 

駐日バングラデシュ人民共和国大使閣下気付

 

拝啓

私たち、日本在住のバングラデシュ・チッタゴン丘陵地帯(CHT)の先住民族、ジュマ民族は2011417日にカグラチョリ県マニクチョリ郡及びラムガー郡ジャリヤパラで同胞たちに対して行われた暴力に関して深い憂慮の念を表明いたします。この暴力でパイニラ・マルマの父親(レモン・マルマ)と一番下の弟を含め、数名のジュマ民族が殺害され、ジョティ・ロンジョン・チャクマ(カグラチョリ県地方自治・土木局技師)、ミプルー(ミトゥ)マルマなど数十人が重症を負い、アシシュ・チャクマ(チッタゴン市のシェモリ工科大学1年生、18歳)を含む数十人が行方不明となり、幾つかの仏教寺院を含め数百戸の家屋が全焼したと聞いております。さらに多くのジュマ民族の家屋が略奪されました。またバングラデシュ軍、国境警備隊、警察の直接支援の下で事件が起こったと聞いております。このような蛮行を断固として糾弾します。また、野外生活を強いられ、飲み物や食料もなく、公共バスに乗るときにも差別を受け、地元NGOや他の援助機関から人道支援を受けることも許されていない先住民族の犠牲者のその後の状況を深く憂慮しています。

 

実際、2011417日の事件は過去にチッタゴン丘陵地帯の先住民族、ジュマ民族に対して実行された一連の襲撃事件の繰り返しであり、2011217日にランガマティ県ロンゴドゥー郡グルシャカリ・ユニオンで起こった放火事件の2ヵ月後、201041923日にランガマティ県バガイチョリ郡バガイハットおよびカグラチョリ丘陵県で起こった放火事件の約1年後に起こっています。この二つの事件で5百戸以上の家屋が焼けて灰となり、何十人もの先住民族が重症を負っています。

 

上記に鑑み、私たちは貴政府に対し、早急に以下の対策を取るよう要請します:

 

1.2011417日にカグラチョリ県ジャリヤパラで起こった事件に関して高等裁判所判事を含む権威ある司法調査委員会を結成し、事件やその原因に関して中立的な調査を実施し、責任を有する者たちを厳しく訴追すること。

2.被害者に適切な補償と生活再建支援を提供すること。

3.チッタゴン丘陵地帯から軍隊を引き上げ、同地域で「ウットロン作戦」を止めること。

4.チッタゴン丘陵地帯に違法に留まるベンガル人入植者を域外に移住させる措置を早急に取ること。

5.チッタゴン丘陵地帯の問題に関して恒久的な政治的解決が図られるまで同地域で土地調査をしないこと。

6.チッタゴン丘陵地帯で政府によるあらゆる土地収用をやめること。

7.チッタゴン丘陵地帯の危機の恒久的な政治的な解決のためにCHTの全ての地元政党と対話を開始すること。

8.バングラデシュの先住民族に対する非道な拷問、レイプ、殺害、虐殺に関する全ての調査報告を公開すること。

9.チッタゴン丘陵地帯の先住民族に対するあらゆる冤罪を撤回すること

10.       2011217日にランガマティ県ロンゴドゥー郡で、そして2010419日~23日にランガマティ県バガイチョリ郡バガイハットおよびカグラチョリ丘陵県で起こった放火事件に関して中立的な調査を実施し、その結果を公表し、責任を有する者たちを罰すること。そして

11.       バングラデシュの先住民族を憲法で認定すること。

 

 

敬具

ワールド・ジュマ・ボイス・オブ・ジャパン     ジュマ・ピープルズ・ネットワーク・ジャパン

代表                                                                    代表

ディプティ・ションコル・チャクマ                  ノイロンジョナ・チャクマ