2010/01/23 Saturdayauthor: 共同代表 トム・エスキルセン

カプタイに新たにダムを建設する計画が浮上!?

http://www.thedailystar.net/newDesign/news-details.php?nid=122982
デイリー・スター紙 2010年1月22日

発電のためにカプタイ・ダムをもう一つ
政府が米国の援助を要請

バングラデシュ政府は、ランガマティ丘陵県の湖水からの水力発電容量を倍増すべく、カプタイ地区に新たなダムを建設するための発電部門での援助を米国に要請した。

環境担当大臣ハッサン・マハムード氏が米国の南・中央アジア地域担当の国務副次官補パトリック・ムーン氏と同氏の事務所で会談し、このような支援を要請した。

「カプタイ水力発電ダムの下流6キロのところにダムをもう一つ建設することができれば、前のダムと同じ発電量を新しい発電所で実現することができる」とマハムード氏は語った。

また、担当大臣は、工業先進国の過剰な炭酸ガス排出による地球規模の気候変動の悪影響に適応し、それを軽減するために、バングラデシュに対する援助を増やすよう米政府に要請した。

会談でパトリック・ムーン氏は、バングラデシュが気候変動問題でリーダーシップを発揮し、コペンハーゲンの首脳会議で建設的な役目を果たしたことに関する謝意を表明した。

米国政府は「効果的な環境保全策の実施に関して常にバングラデシュを応援していく所存である」と同氏は語った。

両氏は、将来における環境問題に関する両国間の協力についても話し合った。

トムのコメント:ご存知のように60年代のアメリカ国際開発庁(USAID)の援助によるカプタイ・ダム建設は、10万人の強制移住、CHTの優良な耕作地4割の水没を引き起こし、CHT紛争の火種ともなる非常に問題の多いプロジェクトでした。土地や環境問題を「監督・調整する」役割を追うべきCHT地域評議会や、同地域における政府の政策全般を扱うCHT担当省への相談もなく、バングラデシュの環境担当大臣がこのような発言をしたならば、和平協定の精神にも根本的に反する、極めて憂慮すべきことと言わざるを得ません。最近は、CHTでの観光開発に関しても、地域自治機関を素通りして政府が方針を作ろうとするなど、このような一方的な扱いが見られますが、これは影響規模も極めて大きく、見過ごせない問題といえるでしょう。政府がどこまで本気でこのような計画を考えているのか、地域評議会・県評議会、CHT担当省と何らかの相談があったのかどうか、確認する必要がありますが、国際社会がこれから眼を光らせなければならない深刻な動きといわざるを得ません。また、何か追加情報があれば御知らせしたいと思います。