2008/02/15 Fridayauthor: jummanet(n)

カグラチョリ県で続く土地収奪

初出:2008.2.15

カグラチョリ県では、去年から陸軍や行政の支援の下、入植者による土地収奪が加速している。Hill Watch Human Rights Forumによると去年3月~12月にかけて、同県ショドル郡とモハルチョリ郡の4つのユニオンで14ヶ村に住む133世帯のジュマ民族の土地、399エーカーが入植者に新たに占拠され、住居が建設された。今年2月末の現地訪問でも私たちジュマ・ネット関係者はカグラチョリからランガマティに向かう道中で、入植者が無断で建てたらしい新しいトタン屋根の住居を多く見かけた(地図参照)。1月には土地を守ろうとするジュマ村長が「入植者の果樹を切り倒した」と警察から嘘の嫌疑で起訴され、行政もジュマに「土地証書を見せろ」と言って圧力をかけている。また、国内大手NGOのBRACがカグラチョリの県境にまたがる茶園の経営権(リース)を2003年に購入し、最近になって茶園を拡張するために同県マニクチョリ郡第110ジュッゴチョラ・モウザ(人口350世帯(2/3はトリプラ人))から住民を追い出している。茶園造成でヒンドゥー寺院や火葬場なども破壊され、移住を拒む住民が脅迫されているという。また、同県ディギナラ郡バブチョラではシャードン・ティラ仏教寺院を含む300エーカーの土地を収奪する試みが続いており、去年11月にもCHT省から県行政に入植者約800世帯をそこに移住させるよう命令も下されたが、住民や僧侶たちが抵抗している。同県ロッキチョリ郡のブジュリチュグ山にある瞑想センターも、軍によって去年2回破壊されては僧侶により建て直されたが、2008年1月31日にも陸軍に破壊され、冒涜行為が行われた(写真参照)。
(出典:Hill Watch Human Rights Forumなど現地情報筋)