2005/07/13 Wednesdayauthor: jummanet(n)

「CHTでの開発プロジェクトは差別なく実施する」とUNDP代表は語る

デイリー・スター紙、2005年7月13日

国連開発計画(UNDP)駐バングラデシュ代表のヨルゲン・リスナー氏は、国連が大衆の利益のために働く組織であり、チッタゴン丘陵地帯(CHT)での開発事業の実施やスタッフの雇用においてベンガル人と先住民族を平等に扱う必要があると語った。「もちろん、開発プロジェクトの選定やスタッフの雇用に関しては対等な扱いをする予定である」と同氏は7月11日にバンドルバンで行われた会合で語った。その前に同氏はカグラチョリを7月9日に、ランガマティを7月10日に訪問していた。同氏は、平等権運動(Somo Adhikar Andolon (SOA)と丘陵ベンガル人学生評議会という二つのベンガル人組織、及び先住民族たちがCHTでの開発プロジェクトの選定とスタッフ雇用に関する要求を出した後に同地域を訪問した。しかし、先住民族の方が弱い立場にいるので最初に実施する開発プロジェクトの対象となるとリスナー氏は語った。ベンガル人コミュニティーのためのプロジェクトはあとから増えることになると彼は語った。チッタゴン丘陵地帯開発プログラムの第一段階では、すでにベンガル人の住む32の村が対象に含まれていることを彼は明らかにした。

トムのコメント:UNDPは支援対象を決める上で難しい綱渡りを強いられているように見える。確かにベンガル人入植者の多くもCHT問題の犠牲者であり、日雇い労働など厳しい生活を強いられている。しかし、その生活をCHT地域内に定着させれば、入植者が不法に奪った土地をジュマ民族に返還することは益々困難になる。十年ほど前、欧州委員会は、入植者を平野部に再定住させる資金を援助すると申し出たことがあったが政府は拒否した。
ジュマの村で実施されるプロジェクトも、不正を防止して適切に実施する体制ができるのかどうか心配だ。ジュマNGOのほとんどはプロジェクト経験が乏しい。お金が急に流れ込むと利権争いが生じ、最も必要としている人に届けるのは容易いことではない。PCJSS・UPDF両派の争いが激しさを極め、両派とも資金集めに必死な状態の中で、援助が銃弾に化ける危険性も全くないとは言えない。その反面、援助で一時的にでも村で雇用が生まれ、特に教育を受けた失業中の青年層が職に就ければ、武装グループで恐喝などをしなくても済むようになるかも知れない。援助は薬にも毒にもなり得る。その両面性をしっかりと見つめ続けなければいけない。