2005/07/27 Wednesdayauthor: jummanet(n)

CHTの刑務所で529人が裁判もなく拘束。丘陵三県の裁判所いまだに始動せず

デイリー・スター紙、2005年7月27日

三つの丘陵県の刑務所では、施設が完成した後も裁判所が機能し始めていないために、多くの未決囚が苦悩の日々を送っている。刑事犯罪の嫌疑を掛けられて拘束されている容疑者が少なくとも529人、ランガマティ、カグラチョリ、バンドルバンの刑務所に収容されている。

裁判が何年も遅れているのは、各県庁にある治安判事裁判所およびチッタゴン市にあるチッタゴン省知事の裁判所が事件を処理できずにいるからである。治安判事や省知事は、司法の業務に加え、一般行政の業務も行わなければならないためである。

裁判所の建物や基盤施設はとっくの昔に完成しているが、2003年に関連法案が議会によって制定されたにもかかわらず、政府はいまだに裁判所を機能させるのに欠かせない裁判官の任命を行っていない。また、政府は裁判所の活動開始を官報で報せることもしていない。裁判の遅れは被告人だけでなく、原告にも苦難を強いている。時には原告を兼ねる政府にとっても余計な支出の原因となっている。専任の裁判官を持つ裁判所がない中で、弁護士を雇う余裕のない被疑者は政府の法律扶助基金の支援を受けることもできずにいる。これは公正な判決を受ける妨げとなっていると、ある弁護士たちは主張する。

当時のアワミ連盟政権は1998年に三つの丘陵県庁所在地に裁判所と裁判官公邸を含む関連施設を建設した。ランガマティでは県裁判官公邸として建てられた建物は、今、CHT地域評議会議長の住居として使われている。裁判の審理の遅れで三県の刑務所に収用されている人数が増え続けており、収容能力を大きく超過している。ランガマティ県、カグラチョリ県の刑務所の情報筋によれば、収容者は窮屈な状態で押し込められ、設備も不十分だという。

三県の刑務所の情報筋によると、7月25日現在、収容されている未決囚の人数はランガマティ刑務所で女性5人を含む196人、カグラチョリ刑務所で女性4人を含む192人、バンドルバン刑務所で女性10人を含む141人である。有罪判決を受けた受刑者の数は7月24日現在、ランガマティで41人、カグラチョリで36人、バンドルバンで33人である。

一部の事件は三つの丘陵県の治安時裁判所からチッタゴン省知事の裁判所に移管されたが審理はほとんど進んでいない。残りは治安判事裁判所で係争中である。1894年囚人法第9条によれば未決囚は14日に一度裁判所に出頭させられることになっているが、刑務所当局は被疑者を規定時間内に裁判所に出頭させるだけの事務的・法的・物理的な体制を欠くため、この決まりは守られないことが多いと言う。しかも治安判事裁判所による出頭令状の発行も滞っている。

ランガマティ刑務所のある高官は、出頭令状(被疑者を裁判所に出頭させることを裁判所が許可するもの)の発行を求める被疑者リストを定期的に治安判事裁判所に送付しているが、出頭令状はごく一部の被疑者に対してしか発行されないと語る。「裁判所がスケジュールを示さなければ、我々はどうすることも出来ない」と彼は言う。