2004/10/18 Mondayauthor: jummanet(n)

陸軍がCHTの森林で盗伐の取り締まりを行うことに

CHTで森林資源の略奪が増加していることをふまえ、政府は陸軍に盗伐の取り締まりを強化するよう要請した。政府情報筋によると、環境・森林大臣タリクル・イスラムからの正式な要請を受けて、軍がすでに盗伐の取り締まりを開始しているという。森林の警備を陸軍に依頼するという決定は、木材などの資源が連続して大量に盗まれていることが現場担当官や情報機関から報告された後になされたという。
「チッタゴン丘陵地帯(CHT)では、森林警備員の不足により森林地帯で不法行為が長い間続いてきた。森林における不法行為を止める様々な措置を取ったが、最終的に陸軍に助けを求めることになった」と大臣は付言した。

チッタゴン森林局の森林保全担当の発表によると2003年7月1日から今年6月30日までの間にチッタゴン丘陵の森林で2555件の犯罪が行われたと役人は語った。森林官や警備員は446人を逮捕し、木材などの資源を盗むのに使われたトラック、ボート、エンジン・ボートなどを押収した。森林局は同時期に木材14万7千821立方フィート、薪8万7千32立方フィート、竹14万7千394本、石材7万1千465立方フィート、そして5500万タカ相当の家具67件を押収し、88箇所の製材所を閉鎖した。

ジュマネットのコメント:枯渇の著しい森林資源を保全する観点から違法伐採業者の取り締まりを強化する必要はある。しかし、森に生活を頼る先住民族に対する不当な取り締まりが増えることも懸念される。入植政策などで土地から閉め出され、薪などを切って町に売りに行くしか生計手段のない先住民族は、これまでも森林警備員の嫌がらせや賄賂要求に苦しめられてきた。薪が大量に押収されたことからもそれは想像に難くない。森林警備に軍が直接関与することで、さらに締め付けが強まるだろう。太古の昔から森を守ってきた先住民族を森から閉め出すのではなく、土地や森林資源に対する権利を認めてこそ、森林は保全されるのではないだろうか。

情報源:デイリー・スター紙、2004年10月18日