2004/09/24 Fridayauthor: jummanet(n)

環境・森林省の会合で本年度、社会参加型林業事業の実施を決定

バングラデシュ政府はチッタゴン丘陵地帯で社会参加型林業(ソシアル・フォレストリー)を実施する長期計画を立てている。2015年までに同地域の20%の面積でそれを実施する予定である。プロジェクトは草の根レベルで住民や住民代表組織の参加により、地元の文化・伝統を尊重しながら実施される。森林・環境大臣ジャフルル・イスラム・チョウドゥリーがランガマティで記者にこのように語った。
ランガマティ県行政長官の会議室でCHT地域評議会議長ションツ・ラルマ、CHT省副大臣モニ・ショポン・デワン、丘陵3県の県評議会議長、関係省庁の代表者を交えて会合が行われた。会合では、CHTの元々の森林面積140万エーカーの内、森林が残っているのは30万エーカーであり、地元コミュニティーや地域組織の参加の下、110万エーカーの面積に植林を行う必要があることが指摘された。森林資源の増大と保全において地元住民をパートナーとして参加させることが強調され、そのために社会参加型林業をCHTで実施することが決定された。

森林・環境大臣は、バングラデシュの森林面積の半分がCHTにあり、近年まで同地域に豊富な森林があったが、最近、様々な理由でCHTの森林資源が減少しており、近い将来に社会・経済生活や生計にとって脅威となることを指摘した。森林の再生は、地元コミュニティーの協力無しには実現不可能だということも強調した。そうした取り組みは貧困の撲滅や森林資源の増大に寄与すると語った。

CHT地域評議会議長J.B.ラルマ(ションツ・ラルマ)は、「丘陵民はCHTでの造林に反対しているわけではないが、先住民族の生活に良い機会を提供する形で進めるべきである。私たちの伝統や文化の多様性を破壊するような開発事業としての植林は望んでいない。森林はCHTの丘陵民の社会・経済的発展にとって重要な役割を持つ。生活の現実をふまえ、地域の伝統・慣習を尊重し、CHTの丘陵民が深く関与する形でソシアル・フォレストリーを実施してほしい」と政府に要望した。

CHT省副大臣モニ・ショポン・デワンは、「先住民族は丘陵の森林や土地と深い結びつきを持っている。地域住民の多様な社会・文化制度、天然資源、伝統や慣習とも深い関連性がある。ソシアル・フォレストリーはCHTにおける貧困撲滅において重要な役目を果たすことができるだろう」と語った。

情報源:日刊ブールバコン紙、2004年9月24日