2009/06/09 Tuesdayauthor: JummaNet事務局

招聘事業

招聘事業

 

ジュマ・ネットでは、2005年~2008年まで、毎年バングラデシュよりジュマ民族やベンガル人を招聘し、東京・大阪を中心に各地で講演や交流を行い、チッタゴン丘陵地帯の問題を広く日本の方々に伝え広め、自分達が何をできるかを考える場を作っています。

 

■ 2005年 マハルチャリ襲撃事件マイシュチョリ襲撃事件と事件が起こるたびに現場に駆けつけ、救援活動や抗議活動を行ってきたスマナランカ大僧正を招き、2003 年8 月のマハルチャリ襲撃事件以降の土地収奪について講演を行うとともに、各関係機関を訪問し、記者会見も行いました。キャンペーンは1 週間にわたって行われ、約230 名の参加がありました。

 

■ 2006年 ジュマの女子学生2名とジュマ僧侶を招き、東京キャンペーンと西日本キャンペーンに分かれてキャンペーンを行いました。


<東京キャンペーン>

18歳と16歳のジュマの女子学生2名を招聘し、来日スケジュールを企画する実行委員会が2006年6月に、高校生・大学生を中心として結成され、受け入れの準備と来日中のアテンドを受け持ってくれました。実行委員のメンバーは大半が都立国際高校の女子高生達が占めました。実行委員会は2週間に1度の割合で行われ、チッタゴン丘陵地帯の背景を学ぶワークショップや、文化学習(ジュマ料理教室)、ベンガル語講座も取り入れながら、2人の滞在中のスケジュールを決めました。また、2人が交流を通して日本で友情を育み、楽しい思い出を作って帰れるように、写真やしおりなどの「思い出作り」にも工夫しました。また、日本の文化や歴史、学校、日本社会が抱える現代の問題などを知ってもらおうと訪問地についても何度も話し合い検討して決めました。


<西日本キャンペーン>

2005年に招聘したスマナランカ大僧正を招聘し、西日本4都市8会場にて講演をワークショップや上映会を行いました。合計約300名の参加者があり、近年の土地収奪のリアルな様子などを聞くことが出来ました。毎日新聞などのいくつかの新聞にチッタゴン丘陵地帯の問題が紹介されました。

 

■ 2007年 特にチッタゴン丘陵地帯のジュマ民族の女性に対する暴力と差別に対して活動する、全国ネットワーク組織「ドゥルバル」からジュマ民族(トリプラ族)のシェファリカ・トリプラ氏とバングラデシュの主流派民族であるベンガル人のナシマ・アクタル女史の2名を招聘し、東京、千葉、大阪の12箇所で講演や勉強会が行われ、延べ約200名の参加がありました。講演では、民族や宗教の違いを超えてバングラ全土の女性たちが連帯し力強い活動を展開していること、チッタゴン丘陵地帯の女性達の窮状を伝えました。また、日本の女性グループとの交流で国を越えた女性たちの新しい連帯が生まれました。新聞や機関紙4誌の取材を受けました。

 

2008年 昨年同様、全国ネットワーク組織「ドゥルバル」からトリプラ民族のベッキー・トリプラ氏と、バングラデシュの主流派民族であるベンガル人のアノワラ・ベグン氏を招聘しました。東京、千葉、神奈川、大阪、京都の18箇所で講演会や勉強会を行い、約470名の参加がありました。

多くの参加者にチッタゴン丘陵地帯の現状を訴えるだけでなく、日本の介護問題、人権問題(部落差別の歴史、アイヌ民族の歴史)も学ぶことが出来ました。DV被害女性のためのシェルターを訪問し、宿泊するなど、バングラデシュには無いサービスについても学び、今後のドゥルバルの活動の中で被害者のための試験的なシェルター設置に向けて活動を始めようとしています。日本の女性団体やNGOとも交流し、意見交換を行なうなど女性の人権活動を行う人々のネットワークを作ることが出来きました。

2008年度の招聘事業の動員者数は、過去最高で、ゆっくりではあるが、日本の市民社会の中で、チッタゴン丘陵問題、先住民族問題についての認知が広がりつつあり、また平和な社会作りに向けた取り組みの必要性が認識されてきていると考えています。